大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和38(さ)9 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

本件公訴を棄却する。

理 由

検事総長清原邦一の非常上告趣意について。

関係記録によれば、被告人は、「昭和三二年一一月二八日午前七時三〇分頃宇都

宮市a町b番地附近道路において、Aが法令に定められた運転資格を持たないこと

を知りながら、同人に対し俺の車を引いてくれと申向け普通貨物自動車の無免許運

転を教唆し、よつて同人をして普通貨物自動車を運転させたものである」との犯罪

事実につき、昭和三三年二月二八日宇都宮簡易裁判所に略式命令を請求され、同裁

判所により同年四月八日附で右事実につき道路交通取締法違反として罰金二、〇〇

〇円に処する旨の略式命令を受け、その略式命令は同月一九日被告人に送達され、

正式裁判請求期間の経過により同年五月七日確定したこと、および右と同一事実に

つき同年三月二二日宇都宮簡易裁判所に略式命令を請求され、同裁判所により同年

四月二一目附で重ねて同一事実につき道路交通取締法違反として罰金二、〇〇〇円

に処する旨の略式命令を受け、その略式命令は同年五月九日被告人に送達され、正

式裁判請求期間の経過によつて同月二四日確定したことを認めることができる。

しかしながら、宇都宮簡易裁判所は後の略式命令請求については、刑訴三三八条

三号により公訴棄却の判決をすべきであつたのであり、これを看過して、重ねて同

一事実につき被告人を罰金二、〇〇〇円に処する旨の略式命令をしたことは明らか

に違法であり、かつ被告人のため不利益であるといわねばならない。

よつて刑訴四五八条一号により原略式命令を破棄し本件公訴を棄却すべきものと

し主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

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公判出席検察官検事 川井英良

昭和三九年一月二四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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